BIエンジニアに将来性はある?需要が高まる背景やキャリアパスを解説

企業が保有するデータの量や種類が増える中、データを経営や業務改善に活かす動きが広がっています。そこで注目されているのが、BIツールを使ってデータを可視化し、企業の意思決定を支えるBIエンジニアです。

一方で、BIツールの機能やAI技術が進化していることから、「BIエンジニアの仕事は将来なくなるのではないか」と不安に感じている方もいるでしょう。

この記事では、BIエンジニアの将来性が高い理由や需要が拡大している背景、必要なスキル、キャリアパスについて解説します。

BIエンジニアとは?データ活用を支える専門職

BIエンジニアとは、BI(Business Intelligence)ツールを活用し、企業が保有するデータを可視化・分析できる環境を整える専門職です。

企業内には、売上や顧客、在庫、人事などに関するさまざまなデータがあります。しかし、データを保有しているだけでは、経営や業務改善に役立てることはできません。必要なデータを整理し、意思決定に使える形で提供することがBIエンジニアの役割です。

BIエンジニアの仕事内容

BIエンジニアの主な仕事は、データの加工・集計やデータマートの設計、ダッシュボードの作成・運用などです。

たとえば、経営層が売上の推移を確認したい場合、販売管理システムや顧客管理システムなどから必要なデータを集め、グラフや表で確認できるダッシュボードを構築します。使用するツールとしては、TableauやPower BI、Looker Studioなどが代表的です。

また、ダッシュボードを作って終わりではありません。利用者の意見をもとに表示項目を調整したり、データの抽出処理を改善して表示速度を高めたりすることもあります。利用者が継続的にデータを活用できるよう、操作方法を説明することもBIエンジニアの仕事です。

データエンジニア・データアナリストとの違い

BIエンジニアと関係の深い職種に、データエンジニアとデータアナリストがあります。

データエンジニアは、さまざまなシステムからデータを収集し、蓄積・処理するためのデータ基盤を構築する職種です。一方、データアナリストは、蓄積されたデータを分析し、課題の発見や施策の提案を行います。

BIエンジニアは、データ基盤に蓄積された情報を整理・可視化し、利用者が分析しやすい環境を構築するポジションです。企業やプロジェクトによって業務範囲は異なりますが、データエンジニアとデータアナリストの間をつなぐ役割を担うこともあります。

企業におけるBIエンジニアの役割

BIエンジニアの役割は、企業内のデータを「誰もが活用できる情報」に変えることです。

データが複数の部署やシステムに分散していると、必要な情報を集めるだけでも時間がかかります。また、担当者ごとに集計方法が異なれば、同じ指標でも数値にずれが生じる可能性があります。

BIエンジニアがデータの定義や表示方法を整えることで、組織内で共通の数値を確認できるようになります。経営層や各部門の担当者が、客観的なデータにもとづいて判断できる環境をつくることが、BIエンジニアの重要な役割です。

BIエンジニアの将来性が高い3つの理由

BIエンジニアの将来性が高いと考えられる理由には、企業のデータ活用の拡大やBIツールの普及、人材不足などが挙げられます。ここでは、主な3つの理由を解説します。

企業のデータ活用ニーズが拡大している

現在は大企業だけでなく、中小企業でも顧客データや販売データ、Webサイトのアクセスデータなどを活用する動きが広がっています。

勘や経験だけに頼るのではなく、データにもとづいて課題を把握し、施策の効果を検証することが重要になっているためです。データ活用に取り組む企業が増えるほど、データを整理・可視化するBIエンジニアの活躍の場も広がります。

製造業や小売業、金融業、医療など、業界を問わずデータ活用が進んでいることも、BIエンジニアの将来性を支える要因です。

意思決定の高速化にBIツールが欠かせない

市場環境や顧客ニーズが変化する中、企業には迅速な意思決定が求められています。

従来のように、担当者がExcelなどでデータを集計し、会議用の資料を作成していると、状況を把握するまでに時間がかかります。BIツールを導入すれば、最新の数値をダッシュボード上で確認できるため、異変や課題を早期に発見できます。

ただし、BIツールを導入するだけで、適切なデータ活用が実現するわけではありません。利用目的に合った指標や画面を設計し、正確なデータを表示できる環境を整えるBIエンジニアが必要です。

データを扱える人材が不足している

データ活用への関心が高まる一方で、データベースやBIツールの知識を持ち、ビジネス部門と連携できる人材は十分とはいえません。

BIエンジニアには、SQLやデータベースに関する技術だけでなく、利用者の要望を把握する力も求められます。技術とビジネスの両方を理解できる人材は限られているため、実務経験を積むことで市場価値を高めやすいでしょう。

BIエンジニアの需要が高まる背景

BIエンジニアの需要拡大には、企業を取り巻く環境の変化も関係しています。ここでは、DXやデータドリブン経営の観点から、需要が高まっている背景を見ていきましょう。

DX推進によりデータ活用が企業競争力になっている

DXとは、デジタル技術やデータを活用し、業務やサービス、ビジネスモデルを変革する取り組みです。

DXを進めるには、システムを導入するだけでなく、蓄積されたデータを経営や現場の改善に活かす必要があります。顧客の行動や売上の変化を把握し、次の施策につなげられる企業ほど、変化に対応しやすくなるためです。

BIエンジニアは、企業がデータを継続的に活用するための環境を構築することで、DX推進を支えています。

部門ごとのデータを統合する重要性が増している

多くの企業では、営業やマーケティング、経理、在庫管理など、部門ごとに異なるシステムを使用しています。その結果、データが各所に分散し、会社全体の状況を把握しにくくなるケースがあります。

たとえば、売上データと広告データを組み合わせれば、施策ごとの費用対効果を分析できます。さらに、在庫データを連携すれば、売れ行きに応じた仕入れや在庫調整にも活用できるでしょう。

複数のデータを統合し、共通のダッシュボードで確認できる仕組みをつくるBIエンジニアの重要性は、今後さらに高まると考えられます。

データドリブン経営を支える人材が必要とされている

データドリブン経営とは、データにもとづいて経営上の意思決定を行う考え方です。

データドリブン経営を実現するには、経営層だけでなく、現場の社員も必要なデータを確認できる環境が欠かせません。また、部署ごとに異なる指標を見るのではなく、組織全体で共通の基準を持つ必要があります。

BIエンジニアは、数値の定義やデータの更新方法を整え、利用者が正確な情報を確認できる環境を構築します。データ活用を一部の専門家だけのものにせず、組織全体へ広げる存在としても期待されています。

BIエンジニアの将来性を左右するスキル

BIエンジニアの需要は今後も続くと考えられますが、BIツールの操作だけを担当する業務は、自動化やAIの影響を受ける可能性があります。

長く活躍するには、データ基盤からビジネス課題まで幅広く理解し、目的に合ったデータ活用を設計できる力が必要です。

SQL・データベースに関する知識

SQLは、データベースから必要なデータを抽出・集計するために使用する言語です。BIツールへ表示するデータを準備するうえで、SQLのスキルは欠かせません。

単にデータを抽出できるだけでなく、処理速度や保守性を考慮してクエリを作成する力も求められます。あわせて、テーブルの構造や結合方法、データモデリングについて理解しておくと、効率的なダッシュボードを構築しやすくなります。

BIツール(Tableau・Power BIなど)の活用スキル

BIエンジニアには、TableauやPower BIなどを使い、目的に合ったダッシュボードを設計するスキルが必要です。

重要なのは、多くのグラフを表示することではありません。利用者が知りたい情報をすぐに把握できるよう、指標の優先順位や画面構成、色の使い方などを工夫することが求められます。

複数のBIツールに触れておくと、企業の環境や予算、利用目的に応じた提案ができるため、対応できる案件の幅も広がるでしょう。

クラウド・データ基盤構築の知識

近年は、BigQueryやAmazon Redshift、Snowflakeなど、クラウド上のデータ基盤とBIツールを連携させるケースが増えています。

そのため、BIエンジニアにもクラウドサービスやDWH、データマート、ETL・ELTなどに関する知識が求められます。データがどこから収集され、どのように加工されてダッシュボードへ届くのかを理解できれば、不具合の原因を特定したり、より適切な構成を提案したりしやすくなります。

ビジネス課題を理解する力

BIエンジニアとして市場価値を高めるうえで、特に重要なのがビジネス課題を理解する力です。

同じ売上データでも、経営層と営業担当者では確認したい内容が異なります。経営層は全社的な業績を重視する一方、営業担当者は顧客別や商品別の実績を詳しく確認したいと考えるでしょう。

利用者へのヒアリングを通じて、「何を判断するためのデータなのか」を明確にし、適切な指標へ落とし込む力が必要です。技術だけでなく、業界や業務への理解を深めることで、BIエンジニアとしての価値を高められます。

BIエンジニアのキャリアパス

BIエンジニアとして身につけたデータベースや可視化、ビジネスに関する知識は、さまざまな職種で活かせます。ここでは、代表的なキャリアパスを紹介します。

データアナリスト・データサイエンティストへのキャリアアップ

データを可視化するだけでなく、数値の背景を分析し、施策の提案まで行いたい場合は、データアナリストを目指す方法があります。

さらに、統計学や機械学習、Pythonなどの知識を身につければ、データサイエンティストへのキャリアアップも可能です。BIエンジニアとしてデータ構造やビジネス課題への理解を深めた経験は、分析結果を実務に結びつけるうえでも役立ちます。

データエンジニア・AIエンジニアへの展開

データ基盤の設計・構築に興味がある場合は、データエンジニアを目指すこともできます。

クラウドやデータパイプライン、プログラミングに関するスキルを強化すれば、大規模なデータを安定して収集・処理する仕事へと業務範囲を広げられます。また、Pythonや機械学習について学ぶことで、AIモデルを業務システムへ組み込むAIエンジニアへの展開も考えられるでしょう。

プロジェクトマネージャーやデータ活用コンサルタントに転職する

BI導入やデータ活用プロジェクトの経験を積み、マネジメントスキルを身につければ、プロジェクトマネージャーを目指せます。

また、顧客の課題整理やデータ活用方針の策定といった上流工程に強みを持つことで、データ活用コンサルタントへ進むことも可能です。

複数の部門や職種をまとめながらプロジェクトを推進するには、技術力に加えて、コミュニケーション力や提案力が欠かせません。実務の中で利用者の課題に向き合う経験が、次のキャリアにつながります。

分析屋で、市場価値の高いBIエンジニアを目指そう

企業のデータ活用ニーズは拡大しており、データを整理・可視化して意思決定を支えるBIエンジニアは、今後も需要が見込まれる職種です。

ただし、BIツールの操作スキルだけでは、将来的に活躍できる範囲が限られる可能性があります。SQLやデータベース、クラウドなどの技術を身につけるとともに、利用者の課題を理解し、データをどのように活かすか考える力を磨くことが重要です。

分析屋では、データ分析に関するさまざまなプロジェクトを通じて、BIエンジニアとしての経験や実績を積むことができます。BI領域からデータ分析やコンサルティングなどへ仕事の幅を広げ、自分に合ったキャリアを描くことも可能です。

データ活用を通じて企業の課題解決に貢献したい方や、市場価値の高いBIエンジニアを目指したい方は、ぜひ分析屋の採用情報をご覧ください。

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