ETLとは?仕事で使えてると言えるレベルを本音解説

こんにちは。今日はETLについて書きます。

先に白状しておくと、私はもともとエンジニアではあったものの、ETLとかデータ基盤とかいう領域については、ほぼ未経験からのスタートでした。なので、「ETLって聞いたことはあるけど、正直何を言ってるのかよくわからない」という感覚、すごくわかります。この記事は、当時の自分に向けて書くつもりで、できるだけかみ砕いて書きます。

で、最初に言いたいことを言ってしまうと。「ETLとは○○です」という説明を覚えても、それだけでは仕事で使えるようにはなりません。知識として知っていることと、仕事で使えていることの間には、結構な距離があります。この記事では、その距離の正体と、じゃあ結局どこまでできれば「仕事で使えてる」と言えるのかを、できるだけ正直に書いていきます。先に結論だけ知りたい方は、後半の「結局、仕事で『使えてる』ってどういう状態?」まで飛んでもらって大丈夫です。

ETLとは?合言葉は「データを使える形に整える」

とはいえ、まず言葉の意味がわからないと話が始まらないので、簡単に説明します。

ETLとは、バラバラに散らばったデータを、分析やAI活用に使える一つの形にまとめる一連の作業のことです。

たとえば、営業部のExcelにある売上データ、別のシステムに入っている顧客情報、Webサイトのアクセスログなどです。こうした種類も場所もバラバラなデータは、そのままでは比べたり組み合わせたりすることができません。これらを集めてきて、形式をそろえて、使いやすい場所に保存し直す。この一連の作業がETLです。

ちなみにETLは、特定の製品の名前ではありません。「抽出→加工→格納」という3つの工程をまとめた考え方の名前で、この考え方を実現するためのツールがいくつも存在する、という関係になっています。私も最初ここが曖昧で、「ETLっていうソフトがあるのかと思ってた」状態だったので、念のため。

なぜ必要?ためたデータを「使える」状態にするため

ここ、私が一番ピンと来なかったところです。

多くの会社では、データ自体は既にたくさんあります。ただ、部署ごと・システムごとにバラバラな形式で保存されているため、全社の売上や顧客の行動パターンを見たいと思っても、簡単には集計できません。人力でコピー&ペーストして形式をそろえようとすると、膨大な時間がかかってしまいます。

ETLは、この「データはあるのに使えない」状態を解消するための仕組みです。データを分析やAI活用のために使える形でためておく大きな置き場所(データウェアハウスと呼ばれることもあります)に、きれいな状態で集めておきます。そうすることで、見たいときにすぐ分析できる状態を作れます。

ETLの処理フロー図:バラバラなデータ(Excel・基幹システム・Webログ)を抽出・加工・格納の3工程で整え、データウェアハウスに集約するイメージ
バラバラなデータを「抽出→加工→格納」の3工程で整え、データウェアハウスに集約する流れ

3つの工程を料理の下ごしらえに例えると

3つの工程を、料理の下ごしらえに例えてみます。

  • Extract(抽出):冷蔵庫のあちこちから食材を取り出すように、基幹システムやExcelなど、散らばった場所からデータを集めてくる工程
  • Transform(加工):食材の泥を落とし、皮をむき、切りそろえるように、表記の揺れ(例:「分析屋」と「株式会社分析屋」)を統一したり、計算しやすい形式に整えたりする工程
  • Load(格納):下ごしらえの終わった食材を、すぐ調理できるようバットに並べるように、整えたデータを先ほどの置き場所に格納する工程

この下ごしらえが丁寧であるほど、あとの「分析」という調理の仕上がりが良くなります。正直、仕事を始める時点でここの細かい手順を覚える必要はありません。「そういう流れなんだな」くらいの理解で十分です。

もう少し詳しく:ETLとELTの違い(余裕があれば)

ここから先は、今すぐ仕事を始めるうえで必須ではない話です。気負わず読んでください、というか飛ばしてもらっても構いません。

最近は、加工の順番を入れ替えた「ELT」という方式も増えています。ETLが「下ごしらえをしてから置き場所にしまう」とすれば、ELTはその順番が逆です。とりあえず食材をまるごと置き場所に入れておき、調理の直前に必要な分だけ洗って切る、というイメージです。クラウドサービスの処理能力が上がったことで、「先に全部ためておいて、必要なときに加工する」というやり方が現実的になりました。

どちらが優れているというより、現場の状況に応じて選ぶものです。自社で管理している従来型のシステムが中心ならETL、クラウドサービスが中心ならELTを選ぶ、とイメージしてください。

ETLとELTの違いを比較する図:ETLは抽出→加工→格納の順でデータウェアハウスに格納するのに対し、ELTは抽出→格納を先に行い、必要なタイミングでクラウド上で加工する
ETLは先に加工してから格納、ELTは先に格納してから必要な分だけ加工する

ETLが整うと、現場で何が変わる?

ETLが整うと、現場では主に3つの変化が起きます。

  • 毎月の「コピペとExcelの関数(VLOOKUPなど)」から解放される:手作業の集計はミスが起きやすく、精神的にも削られますが、自動化すればボタン一つで最新のデータがそろい、考える時間が増えます。
  • 部署ごとに数字が違う状態がなくなる:「営業部の数字と経理部の数字が合わない」という不毛な議論がなくなります。
  • 「勘」を「データ」で裏付けられるようになる:ベテランの経験を否定するのではなく、データで補強することで、提案の説得力が高まります。

ツール選びは「誰が使うか」で決まる

ETLを実現するツールには、大きく3つのタイプがあります。ここ、正直に言うと製品名を覚える必要はまったくありません。私も入社前は何も知りませんでした。タイプの違いだけ、なんとなくイメージできれば十分です。

ETLツールの3タイプを比較する図:ノンプログラミング型(SQLが書けない担当者向け)、クラウドネイティブ型(保守の負担を減らしたいエンジニア向け)、プログラミング型(複雑な処理を組みたい人向け)
ETLツールは「誰が使うか」で3つのタイプに分かれる
  • ノンプログラミング型:画面上でアイコンをつなぐだけで処理が作れるタイプ。SQL(データベースに「こういう条件のデータをください」とお願いするための言葉)が書けない担当者でも扱えます。
  • クラウドネイティブ型:導入が速く、保守の手間を抑えたいエンジニアに向いているタイプです。
  • プログラミング型:自由度が高く、複雑な処理を組みたい人向けのタイプです。

どのツールを使うかは配属先によって変わるので、入社前に特定の製品を勉強しておく必要はありません。「誰が、何のために使うか」でタイプが変わる、ということだけ知っておいてください。

【分析屋の現場から】仕様書通りに作っただけだと、ぜんっぜんうまくいかなかった話

これ、まさに「知識はあるけど使えてない」状態の典型みたいな話なので、紹介させてください。

分析屋のデータ基盤チームが実際に担当した案件で、「このデータを日次で連携してほしい」という仕様書をもらったことがあります。言われた通りに日次で連携する仕組み自体は、技術的にはそんなに難しくありません。普通に作れます。

で、作って納品して、さあどうぞ、となったとき。現場の方に実際の使い方を聞いてみたら、見たかったのは「日々の数字」じゃなくて「週単位の傾向」だったんです。日次のまま渡したら、数字が細かく上下しすぎて、むしろ傾向がつかみにくい。せっかく仕様書通りに作ったのに、現場ではほぼ使われないデータが出来上がるところでした。

仕様書通りに作っただけでは気づけなかったこと

仕様書の文字だけを見て機械的に作っていたら、技術的には100点でも、現場からすると0点のものが納品されていたはずです。「本当は何が知りたいんですか」と一歩踏み込んで聞いたからこそ、週次の集計に切り替えられて、ちゃんと使われる仕組みになりました。

技術的に正しく作れることと、現場で本当に役に立つかどうかは、別の話なんですよね。この「裏にある意図を確認する」というひと手間を、分析屋では「おもてなし分析」と呼んでいます。分析屋のSQL研修でも、最初の課題は「どの数字を、どの粒度で見せるか」を考えるところから始まります。ツールの使い方より先に、この感覚を身につけてもらうためです。

結局、仕事で「使えてる」ってどういう状態?

ここまで読んで、「結局、覚えることが多いな」と思った方もいるかもしれません。でも、さっきのエピソードでなんとなく伝わったと思います。仕事で「ETLが使えてる」というのは、ツールの操作を覚えていることでも、E・T・Lの意味を説明できることでもありません。

  • ツールの操作を事前に覚えておく必要はありません。入社後の研修や実務で身につけていきます。
  • 専門用語を全部暗記している必要もありません。「バラバラなデータを一箇所に集めて、使える形にする」という考え方さえ掴んでいれば十分です。
  • 一番大事なのは、「このデータ、結局誰が何に使うんだっけ?」と立ち止まって考える癖です。これがないと、さっきの話みたいに、技術的には正しいのに現場で使われないものを作ってしまいます。

つまり、知識として「ETLとは何か」を言えることと、仕事で「ETLが使えてる」ことの間にある距離の正体は、この「誰が何に使うかを想像する癖」です。技術力だけがすべてではない、ということは、はっきりお伝えしておきたいところです。

経験してきた仕事によって、活きる強みは変わります

  • 現職で事務・営業・企画をしている方へ:Excelの関数や集計ルールを自分なりに工夫してきた経験は、そのままETLの「加工」設計の土台になります。
  • 現職SEの方へ:システムの仕様書を読み解いてきた経験は、ETLの設計そのものに直結します。ツールの操作は後からいくらでも覚えられますが、「どの工程でデータが崩れやすいか」を見抜く感覚は、経験者ならではの強みです。
  • 未経験から挑戦したい方へ:私がそうだったように、最初から全部わかっている必要はありません。分析屋には、ツールの使い方だけでなく「なぜこの処理が必要なのか」を現場目線で学べる研修があります。データエンジニアという仕事に興味がある方は、あわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 未経験でもETLの仕事はできますか?
プログラミング経験がなくても、現場の業務理解があれば十分スタートラインに立てます。分析屋でも、営業事務や企画職出身のメンバーがETL・データ基盤の案件で活躍しています。

Q. ETLエンジニアになるには何を勉強すればいいですか?
まずはSQLの基礎に触れてみるのがおすすめです。ツールの使い方以上に、「データがどう使われるか」という業務理解を深めることが、実務では最も差がつきます。

ETLの先にあるキャリアの選択肢として、データエンジニアという仕事も気になった方は、こちらもあわせてご覧ください。

未経験からデータエンジニアになれる?つまずく3つの誤解と最初の一歩

未経験からデータエンジニアになれる?つまずく3つの誤解と最初の一歩

まとめ:知識の先にある「使えてる」を目指して

ETLは、データを使った仕事の「最初の扉」を開ける仕事です。その扉を開けた先で、あなたが整えたデータが、誰かの不安を払い、新しいビジネスを生む勇気になります。

正直、私自身まだ「誰が何に使うか」を外すことがあります。それでも、バラバラだったデータがきれいにつながって、ちゃんと現場で使われた瞬間は、何度経験しても気持ちがいいものです。未経験からでも、その感覚は必ず掴めます。もしこの話にちょっとでもピンときたら、ぜひ分析屋の採用サイトをのぞいてみてください。

エントリーはこちら

  1. トップページ
  2. 仕事を知る
  3. ETLとは?仕事で使えてると言えるレベルを本音解説

採用情報

方法や手段にとらわれず、課題解決に挑むことができる仲間を募集します。
「好奇心」と「向上心」をお持ちの方をお待ちしております。

NEWS

もっと見る