「BIツールいらない」と現場が嘆く理由~Excel依存からの正しい卒業法~

「高い費用をかけてBIツールを導入したのに、結局みんなExcelを使っている」
「使いにくいし、正直いらない」

現場で、そんな声はありませんか?上司からは「DX」、「データ活用」を推進してとツール利用を促されるものの、実務担当者からすれば「Excelでやった方が早いし正確だ」と感じることは少なくありません。

しかし、なぜ多くの企業でBIツールは「無用の長物」になってしまうのでしょうか。結論から言えば、それはツール自体の問題ではなく、「使う人の業務フロー」と「データの見せ方」が乖離しているからです。

本記事では、現場でBIツールが活用されない根本原因を解明し、Excelスキルを持つ実務担当者だからこそできる、BI時代を生き抜くための「正しい卒業法」を解説します。

ただの「集計作業担当」から「提案できる人材」へ。そのステップを一緒に見ていきましょう。

なぜ現場は「BIツールいらない」と嘆くのか?【3つの本音】

現場がBIツールを拒絶するのには、明確な理由があります。 それは単なる「食わず嫌い」ではなく、実務における合理的な判断に基づいています。ここでは、多くの現場で発生している3つの「本音」を紐解きます。

「Excelで十分」と感じる最大の理由(柔軟性とスピード)

BIツールが定着しない最大の理由は、「現場の『今すぐこうしたい』というニーズに応えられないから」です。

実務では、急ぎでデータが見たいということはよくあります。「会議の直前に、急遽この列を追加したい」「特定の担当者分だけ除外して集計し直したい」。Excelなら、列の挿入やフィルタリングで数秒あれば終わる作業です。一方、構築済みのBIツールの場合、元データの定義変更やダッシュボードの改修が必要になり、システム部門への申請などで数日かかることも珍しくありません。(総務省「情報通信白書」等のDX調査でも、ツールの柔軟性不足が定着阻害要因として挙げられる傾向があります)

「Excelなら1分で終わることが、BIだとできない」。このストレスがBIツールを遠ざける原因となります。

「見るだけ」のダッシュボードは誰も見なくなる

「売上の推移」や「地域別グラフ」など、きれいに整ったダッシュボード。しかし、導入から1ヶ月もすると次第に閲覧数が減っていくことがあります。理由は単純で、「見ても『単なる結果の確認』で終わるだけで、次のアクションに繋がらないから」です。

現場が必要としているのは「結果の報告」ではありません。「なぜ売上が落ちたのか?」「どのアクションが成功したのか?」という原因の特定です。 単に数字を並べただけのダッシュボードは、現場にとって「報告用の絵」でしかありません。結局、原因を探るためにデータをExcelでダウンロードし、ピボットテーブルで手元集計をやり直す二度手間が発生しているのが実情です。

データが汚すぎて使い物にならない

ここがBI導入の落とし穴です。どんなに高機能なBIツールでも、投入されるデータが奇麗なものでなければ、出てくる結果は活用できません(Garbage In, Garbage Out)。

全角・半角が混在している、「株式会社」と「(株)」が統一されていない、部署ごとの入力ルールがバラバラ。

Excelなら、VLOOKUP関数でエラーが出た瞬間に手動で修正できますが、BIツールはそうはいきません。エラーだらけのグラフを見せられた現場は、「このデータは信用できない」と判断し、二度とツールを開かなくなります。 「まずはデータを整備する」という泥臭い工程を飛ばしてツールだけ導入しても、現場の混乱を招くだけです。

それでも「脱Excel」が必要な理由とBIの本質的価値

ここまでExcelの優位性を述べましたが、それでもビジネスの現場は「脱Excel・BI活用」へと向かわざるを得ません。 Excelは優秀な「表計算ソフト」ですが、現代のビジネスが求めるスピードとデータ量に対応するには限界があるからです。

Excel職人の限界:その業務、いつまで続けますか?

Excelに依存し続ける最大のリスクは、「業務の属人化」と「データ量の限界」です。

複雑に入り組んだマクロや、特定の担当者にしか構造が分からない巨大なExcelファイル。もしその担当者が休んだり退職したりすれば、業務は即座に停止します。これは企業にとって大きなリスクであり、担当者自身にとっても「休めない」という足かせになります。

また、Excelは一般的に100万行を超えると動作が重くなり、フリーズが頻発します。IoTやWebログなど、扱うデータが億単位になる現代において、Excelだけで戦うのは無謀です。キャリアの観点からも、「Excel職人」のままでは、AIや自動化の波に飲み込まれる危険性があります。

データを整えれば「最新ファイルはどれ?」がなくなる

BIツールの真の力は、データが整備された時に発揮される「一元管理」にあります。

前章で「データが汚いと使われなくなる」とお伝えしました。しかし裏を返せば、入力ルールを統一し、データを綺麗に整えさえすれば、BIツールはExcelには決して真似できない威力を発揮します。

Excel運用で起きがちなことが、「売上_最新版.xlsx」「売上_最終_修正版.xlsx」といったファイルの乱立です。会議の場で参加者ごとに手元の数字が違い、「どれが正しいデータなのか」を確認するだけで時間が潰れることも珍しくありません。BIツールなら、全員が同じデータベースを見にいくため、この混乱が一切なくなります。誰が見ても同じ、最新で正確な数字が常に共有される状態を作れることこそが、BIを導入する大きなメリットです。

BIは「集計」ではなく「発見」のためのツール

BIツールの真価は、綺麗なグラフを作ることではなく、「データの深掘り(ドリルダウン)」にあります。

例えば、売上が落ちているグラフがあったとします。BIツールなら、そのグラフをクリックするだけで「どの地域が?」「どの商品が?」「どの担当者が?」と、瞬時にデータを掘り下げて原因を特定できます。 Excelで何十枚ものシートを行き来して探していた「異常値の原因」が、数回のクリックで見つかる。 毎月の「集計レポート作成」という作業時間をゼロにし、その分を「なぜ売上が落ちたか?」「次はどうするか?」を考える思考の時間に充てる。これこそが、BIツールを導入する本来の目的です。

【分析屋の視点】「いらない」と言われないためのデータ活用術

私たち「分析屋」は、数多くの現場でデータ活用を支援していますが、成功の鍵はツール選定ではなく「人への寄り添い」にあると確信しています。現場から「いらない」と言われないために必要な視点をお伝えします。

使う人の「感情」を無視したツールは定着しない

データ活用において最も重要なのは、「合理(データ)」だけでなく「情理(現場の使い勝手や想い)」を汲み取ることです。

一例をご紹介します。以前、当社がある企業様でBIツールの全社導入を支援した際のことです。当初、現場からの依頼通りにKPIや帳票をダッシュボード化して納品しました。しかし、導入直後こそ閲覧されたものの、徐々にアクセス数は減っていきました。

「依頼通りに作ったのに、なぜ使われないのか?」

現場にヒアリングを行うと、根本的な原因は機能不足ではなく、「どこにどんな情報があるか分からない」「そもそもTableauの操作方法が分からない」という心理的なハードルでした。見慣れないツールを渡されて、現場は戸惑っていたのです。

そこで、ダッシュボードを直感的に探せるようフォルダ分けし、専門用語の定義を記載しました。さらに、現場向けの操作レクチャー会を自ら開催。「Excelではここまでですが、Tableauならクリック一つでこんな深掘りができますよ」と、実務に即した新しい見せ方を直接提案しました。

結果として、現場の閲覧数は見事に回復し、自発的なデータ活用が進むようになりました。

「作って終わり」ではなく、使う人が抱える不安や感情(情理)に寄り添い、手厚くサポートする。これが、私たちが大切にしている「おもてなし分析」であり、BIツールを定着させる唯一の道です。

Excelスキルこそが、最強の武器になる

実は、Excelが得意なあなたこそ、BIツールの習得に最も近い場所にいます。 なぜなら、BIツールを使いこなすために必要な「データ構造の理解」を、すでに持っているからです。

  • VLOOKUP関数を使える = テーブル結合(Join)の概念が分かる
  • ピボットテーブルを使える = 次元の集約(Group by)の概念が分かる
  • IF関数を使える = 条件分岐のロジックが組める

これらは、BIツールの裏側にあるデータベースやSQLの基礎そのものです。新しいツールを恐れる必要はありません。あなたがExcelでやっている操作を、より大量のデータで、より高速に行える場所に移すだけです。 「Excel職人」としての経験は、データアナリストへのキャリアにおける武器になります。

Excelスキルを武器に「データ活用のプロ」へキャリアチェンジしませんか?

BIツール、データ分析への興味、そしてExcelで業務を回してきた実績がある方。それらを活かして、より市場価値の高いフィールドへ踏み出しませんか?

分析屋なら、未経験からでも「提案できる」人材になれる

分析屋では、「ツールを入れて終わり」にする仕事はしません。顧客のビジネス課題を解決するために、データ分析、ツール導入、そして定着支援までを一気通貫で行います。

求めているのは、単なるオペレーターではありません。「現場はここが使いにくいと感じているはずだ」「このデータがあれば、もっと売上改善の提案ができる」といった、現場視点を持ったコンサルティングができる人材です。 異業種から転職したメンバーも多く、元事務職や営業職の方が、現場の痛みが分かるエンジニア・アナリストとして活躍しています。

充実の教育体制と多様なキャリアパス

「IT業界は未経験だし不安…」という方も安心してください。 分析屋には、社員の「学びたい」を全力で応援する環境があります。

  • 社内勉強会・ナレッジ共有: 最新のBIツール事情や分析手法を共有する場が頻繁にあります。
  • 資格取得支援: 統計検定やデータ基盤関連資格取得をバックアップします。
  • メンター制度: 経験豊富な先輩社員が、技術面だけでなくキャリアの相談にも乗ります。

Excelスキルという土台があれば、SQLやPythonといった専門スキルもスムーズに習得できます。

まとめ

「BIツールいらない」という現場の声は、ある意味で真実です。使う人の業務に即していないツールは、ただの足かせでしかありません。しかし、だからこそチャンスがあります。現場の痛みを知り、Excelでのデータ処理に精通しているあなたなら、「本当に現場で使われるデータ活用」を実現できるはずです。

今の職場で「ツールの奴隷」になるのではなく、ツールを操り、ビジネスを動かす側へ。 その第一歩として、まずは分析屋のカジュアル面談で話をしてみませんか?あなたのExcelスキルが、データ活用という大きな武器に変わる瞬間を、私たちは楽しみにしています。

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