
マーケターと聞いて、広告やSNSを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、マーケティングの世界は急速に進化しており、データ分析やAI活用も求められています。
そこでこの記事では、マーケティングの定義やマーケターの仕事内容、必要なスキルについて紹介します。また、昨今注目を浴びているマーケティングの職種と、未経験からのチャレンジ方法について解説します。
マーケティングとは、商品・サービスを消費者に届けるための活動のこと
マーケティングとは、商品やサービスを「売る」ための活動ではなく、「売れる状態」を作るための活動全体を指します。企業が持つ製品やサービスを、正しいターゲットに、最適な方法で届けるための戦略と実行を進めるのがマーケティングの本質です。
その基本概念として知られているのが「4P(Product、Price、Place、Promotion)」です。
<マーケティングを構成する4P> ・Product(製品):顧客ニーズに合った商品を設計する ・Price(価格):市場や競合、価値に見合った価格設定をする ・Place(流通):商品を適切なチャネルを通じて提供する ・Promotion(販促):認知・関心・購買意欲を高める施策を打つ |
これらの要素をバランス良く設計することで、顧客に選ばれる商品を生み出すことが可能になります。
また、現代のマーケティングでは、「売り手視点」ではなく「顧客視点」が求められます。顧客がどのような価値を求めているのか、どのような課題を抱えているのかを理解する視点が重要です。そのためには、顧客インサイトの発掘や、継続的な分析・改善も欠かせません。
マーケティングの進化
マーケティングは、時代の変化とともに大きな進化を遂げています。かつては、テレビCMや新聞広告といったマスメディアを活用したマスマーケティングが主流でした。しかし、現在はインターネットやスマートフォンの普及により、オンラインを中心としたデジタルマーケティングが主役となっています。
特に、情報化時代となって以降は、ターゲットを絞ったパーソナライズ施策が重視されるようになり、ユーザー一人ひとりの行動データをもとにした精緻なアプローチが可能となりました。
こうした変化は、マーケティングの視点にも影響を与えており、従来の4Pに対して、顧客側の視点から整理された「4C(Customer、Cost、Convenience、Communication)」という分析も生まれています。
<マーケティングに必要な思考フレームの4C> ・Customer(顧客価値):顧客が本当に求めている価値や体験を提供する ・Cost(顧客負担):価格だけでなく、時間や心理的負担も含めた総コストを最小化する ・Convenience(利便性):顧客が商品やサービスに簡単・迅速にアクセスできるようにする ・Communication(対話):一方的な情報発信ではなく、双方向の関係構築を重視する |
4Cは、企業中心から顧客中心へと発想を転換し、より密接な関係性を築くための思考フレームとして注目されています。
さらに、近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、AIや機械学習などの先端技術をマーケティングに取り入れる動きも加速中です。
例えば、レコメンドエンジンやチャットボット、データドリブンな意思決定など、マーケターの施策にはテクノロジーの積極的な利用が求められるようになっています。
マーケターの主な仕事内容

マーケターの仕事は、単に広告を打つことにとどまりません。商品企画から施策の実行、効果検証まで、一連のマーケティング活動に関わります。マーケターが担う主な仕事内容は、下記のとおりです。
市場調査・分析
マーケティングの出発点は、顧客や市場を知ることです。市場規模や競合動向のほか、ターゲットユーザーのニーズや行動パターンを調査・分析し、戦略を立案します。
そのために、アンケートやユーザーインタビュー、公開データの活用、アクセス解析ツールなどを用い、定量・定性の両面からインサイトを導き出します。こうした調査結果が、商品開発や広告設計の根拠となっていくのです。
商品の企画・開発
マーケターは、売れる商品を作るための企画・開発にも関わります。UX(ユーザー体験)を重視しながら、コンセプトの立案、試作品の評価、ターゲットからの好感度といった検証を行います。
なお、商品自体の差別化はもちろん、顧客が共感できるストーリー設計も重要です。マーケターは、生活者視点での発想をもとに、開発チームや営業部門と連携しながら物語性のある商品づくりをリードします。
営業・販促
マーケティングと営業は、密接に連携しています。マーケターは、営業現場の声を取り入れて販促施策を立案し、ツールの作成や販促キャンペーンの企画、予算配分などを担います。
加えて、プロモーションの成果を分析し、次回の戦略にフィードバックする役割も重要です。マーケターには、営業活動を支援しながら、効率良く成果を出すための環境を整えていくことが求められます。
運用
現代のマーケティングでは、Web広告、SNS、メールマーケティングといった運用型施策が中心で、マーケターは広告の入稿・配信設計、SNSアカウントの管理、配信スケジュールの最適化などを日常的に実施します。
その際、KPI(重要業績評価指標)を設定し、日々のパフォーマンスをモニタリングすることで、リアルタイムに改善を加えていく運用力が求められます。
検証・分析
施策を実施した後は、効果の検証が不可欠です。Web解析ツールやBIツール(Tableau、Looker Studioなど)を活用して、CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)、LTV(顧客生涯価値)などの指標を分析します。
分析結果をもとに、戦略やクリエイティブの改善点を洗い出し、次の施策に反映させるというPDCAの実行力が、マーケターの価値を高める要素になります。
マーケターに必要なスキル
マーケターは幅広い領域に携わるため、専門的な知識のほか、多様なスキルが求められます。ここでは、マーケターに不可欠なスキルを紹介します。
コミュニケーション能力
マーケターは、常に複数のステークホルダーと関わります。チーム内での情報共有や他部署との連携、外部の広告会社・制作会社との調整など、関係者とスムーズにやりとりが行えるコミュニケーション能力は欠かせません。
また、ユーザーインタビューやプレゼンテーションなどで、相手にわかりやすく伝えるスキルも必要です。マーケターには論理的に説明する力と、相手の立場を理解する柔軟性の両立が求められます。
データ分析能力
デジタルマーケティングにおいて、数値にもとづいた意思決定は欠かせません。そのため、Google Analytics 4(GA4)やBIツール、SQLなどを活用してユーザー行動を分析し、施策の根拠を導き出すスキルが重要です。
また、KPIの設定とモニタリング、A/Bテスト、広告効果の測定など、日々の業務においてもデータドリブンな視点が問われます。
トレンドを把握する情報収集能力
変化の速いマーケティング業界では、最新の情報にアンテナを張り続けることが必要です。Googleのアルゴリズム変更や、SNSの仕様変更のほか、業界の新サービス、消費者トレンドなどをいち早くキャッチし、自社の施策に活かす情報収集能力が求められます。
特に、BtoC向けの施策では、流行を逃さず取り入れることが、成果を左右する大きな要因となります。
マネジメント能力
マーケターとしてステップアップするには、施策単位だけでなく、プロジェクト全体を管理するマネジメント能力も必要です。その際には、スケジュール調整、予算管理、メンバーマネジメントなど、多くの要素をバランス良く進行させる力が求められます。
また、上流工程である戦略設計に携わるには、目標設定やROI(投資対効果)の観点から成果を導く、マネジメント視点も欠かせません。
注目を集めているデジタルマーケター
デジタル化やAI技術の発展により、マーケターの活動領域は急速に広がっています。デジタルチャネルを活用してマーケティング戦略を立案・実行する専門家は、一般的にデジタルマーケターと呼ばれています。その中でも、特に注目を集めているのが、「Webマーケター」と「AIマーケティングスペシャリスト」です。
ここでは、それぞれの特徴と求められるスキルについて、詳しく見ていきましょう。
Webマーケター:デジタルツールを駆使して、ウェブ上のあらゆる施策を実施
Webマーケターは、インターネットを活用したマーケティング活動を専門とする職種です。SEO、リスティング広告、SNS運用、アクセス解析、LPO(ランディングページ最適化)など、ウェブ上のあらゆる施策に携わります。
そのため、Google Analyticsや広告管理ツール、ヒートマップ分析などの知識と運用スキルが求められ、数字にもとづいた仮説検証力が必須です。
また、Webメディアを活用したリード獲得や、ECサイトのCVR向上など、売上に直結する戦略も担います。
AIマーケティングスペシャリスト:AIテクノロジーを駆使して、最適なマーケティングを実現
AIマーケティングスペシャリストは、AI技術を活用してマーケティング施策を高度化する役割を担う職種です。機械学習、自然言語処理(NLP)、画像認識、レコメンドエンジン、チャットボットなどを駆使して、個別最適なアプローチを実現します。
例えば、購買履歴や行動履歴を分析して、ユーザーごとのLTVを最大化するような施策や、自然言語処理を用いたカスタマーサポートの自動化などが挙げられます。 AIマーケティングスペシャリストは、テクノロジーとマーケティングの橋渡し役として、今後ますます需要が高まっていくでしょう。
デジタルマーケティング時代におけるデータの活用法
現代のマーケティングでは、データが重要な資源のひとつとなっています。顧客の行動や嗜好を把握し、施策を最適化するためには、定量的なデータの収集・分析が不可欠です。
ここでは、デジタルマーケティング時代における、データの活用法について解説します。
広告パフォーマンスの最適化を図る
広告運用においては、定量的なデータをもとに、ターゲティングやクリエイティブの改善を図ります。例えば、エンゲージメント率のデータを分析すれば、ユーザーがどの広告にどれだけ関心を持ち、クリックや「いいね」などのアクションを起こしたか把握できます。それらのデータは、広告チャネルの選定やクリエイティブの改善に役立ち、広告の費用対効果(ROAS:Return On Advertising Spend)向上につながるでしょう。
マーケターは、そうした指標を読み解きながら、A/Bテストを繰り返し、広告パフォーマンスの最適化を図っていくのです。
顧客行動データをもとにターゲティングの精度を高める
ユーザーの購買履歴やウェブ閲覧履歴、アプリ利用状況などのデータを活用すれば、より精緻なターゲティングが可能になります。
リターゲティング広告やCRM施策、機械学習を用いたユーザーの行動分析などは、その代表的な活用例です。ユーザーごとの属性や行動に応じた施策設計が、成果を大きく左右します。
SNS解析を利用したトレンド予測
XやInstagramなどのSNSデータも、マーケターにとって貴重な情報源です。
ハッシュタグ分析や商品レビューなどのUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)の内容を収集・可視化することで、消費者の関心や流行の兆しを把握し、コンテンツ企画やブランド戦略に役立てることができます。
AI・機械学習を活用したマーケティング分析
AIや機械学習を活用すれば、大量のデータから有益な行動パターンや傾向を自動で抽出し、意思決定を支援できます。
レコメンドエンジンによる商品提案、チャットボットによるカスタマー対応、自然言語処理によるアンケートのテキスト分析など、AIや機械学習はマーケティングの精度とスピードを飛躍的に向上させる技術として注目されています。
未経験者でもマーケターを目指せる?
マーケターは専門性の高い職種と思われがちですが、未経験からのチャレンジも十分可能です。特に、デジタル領域では人材不足が続いており、スキル習得の意欲があれば、異業種からの転職も現実的といえるでしょう。ここでは、近年のマーケターの人材ニーズと、未経験者が踏むべきステップを紹介します。
マーケティング職は人材不足
近年、企業のDX推進により、デジタルマーケティングに対応できる人材の需要が急増しています。しかし、即戦力となる人材は限られており、実務経験よりもポテンシャルや学習意欲を重視する採用も増えているのです。
特に、中小企業やスタートアップでは、広報・営業・企画とマーケティングを兼任するケースも多く、柔軟に動ける人材は重宝されるでしょう。
基礎知識の習得や、実践的な経験の積み上げが重要
未経験からマーケター職を目指すには、基礎知識の習得から始めましょう。マーケティングの全体像やフレームワーク(4P、4Cなど)を学び、広告運用や分析ツールの基礎を理解することが重要です。
その際、マーケティングスクールやオンライン講座を活用すれば、短期間で必要なスキルを習得できます。
さらに、SNS運用やブログ運営などの個人活動も、有効なアピール材料となります。自分でWeb広告を運用してみたり、Google Analyticsで数値を測定したりすることで、それらの実践力はポートフォリオとなっていくはずです。
加えて、マーケティング職のインターンや副業に挑戦し、実践的な経験を積むこともできます。それらの実績を可視化して伝えれば、未経験でも説得力のあるポートフォリオが出来上がります。
マーケターは企業と市場をつなぐ価値創造の担い手
マーケターは、市場を読み解き、創造力とデータを駆使して成果を生み出す、価値創造のプロフェッショナルといえます。
AIやデータ分析が進化する今、マーケターに求められるスキルは高度化しています。一方で、未経験からでも学習機会や実践環境が整っていれば、十分にキャリアの構築は可能です。何よりも大切なのは、変化を楽しみ、主体的に動くマインドセットです。
そのような環境を求めている方にこそ、分析屋は理想的な選択肢となります。分析屋では、マーケターとして必要なデータ分析力や論理的思考力を、実務を通じて身に付けることができます。さらに、顧客の課題解決に深く関わる業務を通じて、コミュニケーション力やビジネススキルも養うことが可能です。
たとえマーケター未経験であっても、問題ありません。マーケターとして新たな一歩を踏み出したい方は、分析屋の採用ページをご覧ください。
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