「データ分析を始めたいけれど、どこから手をつければいいか分からない」
そう感じているなら、まずはpandas(パンダス)だけを味方につけてください。
Excelの限界を感じている事務職の方も、新しい武器を探しているエンジニアの方も、この1記事で実務に必要な操作はすべて揃います。
なぜ実務で「pandas」なのか?Excelの限界を突破する3つのメリット
pandasは「データの再現性」と「処理スピード」においてExcelを圧倒します。
Excelは直感的ですが、数万行を超えると動作が重くなり、操作ミスが起きても後から原因を追うのが困難です。一方、pandasはプログラムで操作を記録するため、誰が実行しても同じ結果が得られます。
- 100万行も一瞬。Excelがフリーズするストレスからの解放
Excelの最大行数は1,048,576行ですが、実際には数十万行で動作が極端に重くなります。pandasなら数百万行のデータも数秒で処理可能です。 - 「誰がやっても同じ結果」になる。ミスを防ぐ自動化の仕組み
手作業のコピペや関数ミスは、ビジネスに致命的な損失を与えます。pandasは「処理の手順」をコードとして保存するため、翌月の集計もボタン一つで正確に完了します。
5分で準備完了。インストールも不要
pandasを動かすために、難しい設定やソフトの購入は一切不要です。Googleが無料で提供している「Google Colaboratory(グーグル・コラボラトリー)」を使いましょう。
これは、簡単に言うと「ブラウザ上で動くPython専用のExcelブック」のようなものです。ネットさえ繋がれば、自分のパソコンを汚さずに、今すぐpandasのコードを試すことができます。
- アクセスする: Googleアカウントにログインした状態で、Google Colaboratoryを開きます。
- 準備する: 「ノートブックを新規作成」をクリックします。これがExcelでいう「新しいファイル」になります。
- 魔法の呪文を打つ: 出てきた入力欄に import pandas as pd と打ち込んで、左側の再生ボタン(実行)を押してください。
これだけで、世界中のデータサイエンティストと同じ強力な分析環境が手に入りました。準備は万端です。さっそく、実務で使う操作を見ていきましょう。
実務の8割はこれだけ!絶対に押さえるべき5つの基本操作
実務のデータ処理のほとんどは、以下の5つの操作の組み合わせで完結します。
【読み込む】バラバラのCSVやExcelを1つにまとめる
pd.read_csv() を使えば、どんなデータも瞬時に「DataFrame(データフレーム)」という扱いやすい表形式になります。
import pandas as pd df = pd.read_csv(‘sales_data.csv’) # CSVの読み込み |
実務では、複数のファイルを結合する pd.concat() も頻出です。毎月の売上ファイルを一つにまとめる作業が、わずか数行で終わります。
【確認する】巨大なデータの中身を「先頭5行」で把握する
データ全体を表示して画面をフリーズさせる必要はありません。df.head() を使いましょう。
データの項目名や型、変な値が混じっていないかを最初に見極めるのが、ミスのない分析の第一歩です。
- df.head():先頭5行を表示
- df.info():データの欠損(空欄)やデータ型を確認
【抽出する】「20代・女性」など特定の条件でデータを絞り込む
df.query() や df.loc[] を使うと、膨大な行から必要なデータだけを正確に抜き出せます。
Excelのフィルター機能よりも強力で、複雑な複数条件の組み合わせも一瞬です。
# 年齢が20代、かつ性別が女性のデータを抽出 target_df = df.query(‘age >= 20 and age < 30 and gender == “female”‘) |
【計算する】店舗別・日別の売上集計を1行のコードで完了させる
df.groupby() は、実務で最も「pandasを使ってよかった」と実感する機能です。
ピボットテーブルと同じ操作を、より高度に、より高速に行えます。
# 店舗ごとの売上合計を算出 shop_sales = df.groupby(‘shop_name’)[‘sales’].sum() |
【書き出す】分析結果をExcel形式で保存して共有する
加工したデータは df.to_excel() や df.to_csv() で保存できます。
分析はPythonで行い、結果だけを使い慣れたExcel形式でチームに共有する。これが最も効率的な実務のフローです。
現場で差がつく「汚いデータ」を味方につけるコツ
実務のデータは「汚い」のが当たり前です。文法を覚えることより、データへの向き合い方が重要になります。
教科書に出てくるような綺麗なデータは現場にはありません。空欄(欠損値)、表記ゆれ、型の間違い…。これらをどうさばくかが、プロの腕の見せどころです。
- 「欠損値」を排除せず、理由を考える
数値が入っていない場合、それは「0」なのか「計測漏れ」なのか。その背景を想像することで、分析の精度は劇的に変わります。
私たちはデータを単なる数字の羅列とは捉えません。その数字の裏にある「お客様の想い」や「現場の事情」を汲み取ること(情理)を大切にしています。
まとめ|pandasを習得して、単純作業から「価値ある分析」へ
pandasを学ぶ目的は、コードを書くこと自体ではありません。作業を効率化し、浮いた時間で「次に何をすべきか」を考える余裕を作ることです。
これまで集計作業に追われていた時間を、pandasを使って10分に短縮しましょう。その時、あなたはただの作業員ではなく、データから未来を提案するスペシャリストへの第一歩を踏み出しています。
「もっと深く、実務に即したデータ分析を知りたい」 「技術を手段として、誰かの意思決定を支える仕事がしたい」
もしそう感じたなら、ぜひ私たちの技術ブログも覗いてみてください。
- さらに知識を深める:[分析屋 公式note|技術情報]
- 「おもてなし」の分析を仕事にする:[分析屋 採用情報サイト]
次は、あなたの手で、目の前のデータを価値ある情報に変えてみてください。