新卒で選んだのは、自動車業界。
技術派遣のエンジニアとして約5年間、自動車のエンジン制御に関わった。その後、データ分析の面白さに気づき、未経験で分析屋へ。
ところが1年半ほど働いたところで、かねてから憧れていた自動車メーカーから声がかかる。
「やっぱり一度、メーカーで働いてみたい」
そう思って分析屋を退職した。
念願だったメーカーへの転職。
それでも、約1年後。清水はもう一度、分析屋を選んだ。
分析屋を離れてみて、改めて気づいたことがあったからだ。
自分で考える。
理由を説明する。
やってみたいことを口にする。
そして、それをちゃんと仕事として扱ってもらえる。
清水にとって、それは思っていた以上に大切なことだった。
車が好きでエンジニアに。そこで、データのおもしろさを知った。
分析屋へ入る前は、自動車業界で働いていたんですよね?
そうですね。
大学は工学部の電気系だったんですけど、大学時代に友人の影響で車が好きになって。
新卒では技術派遣の会社に入って、自動車メーカーに常駐していました。
5年くらいですね。
仕事は、ざっくり言うとエンジン制御の最後の調整に近い仕事です。
車って、いろいろな部品が組み合わさって動いていますけど、それを最終的にどう動かすのかを、さまざまなデータを見ながら調整していく。
車から取れるデータって、ものすごく多いんですよ。
その数字の傾向を見ながら、
「こう動かした方がいいんじゃないか」
と考える。
そこで、データを見ること自体も面白いなと思うようになりました。
転職では、自動車メーカーとデータ分析の両方を見ていた?
そうですね。
最初は、派遣ではなくメーカーの社員になりたいという気持ちがありました。
ただ転職先を探しているうちに、「データ分析を仕事にする」という選択肢も面白そうだなと思って。
未経験だったので書類ではかなり落ちましたね(笑)。
その中で分析屋と出会いました。
面接で話した人たちの人柄が良かったことと、未経験でも研修などがあると説明してもらえたことが大きかったです。
素直に、
「ここなら新しいことに挑戦できそうだな」
と思えました。
念願だったメーカーへ。それでも、もう一度分析屋を選んだ。
最初の分析屋では、どんな仕事をしていたんですか?
最初は受託のチームに入って、商品メーカーのデータ分析をしたり、顧客アンケートの管理ツールを扱ったりしていました。
当時はSQLも分からない状態でしたし、触ったことのないツールもあったので、その都度勉強しながらやっていました。
分からなければ自分で調べる。
それでも分からなければ、
「これを知っているのは誰だろう」
と探して聞く。
未経験なら、そういう動き方もかなり大事だと思います。
でも、一度分析屋を退職していますよね。
そうなんです。
分析屋が嫌だったわけでは全然なくて。
仕事も楽しかったですし、評価もしてもらっていました。
ただ、自動車業界への未練が残っていたんですよね。
そんなとき、以前働いていた自動車メーカーから「社員を募集しているけど、どう?」と声をかけてもらったんです。
昔からやりたかったことだったので、
「これは行こう」
と。
それで分析屋を退職して、自動車メーカーへ転職しました。
念願だったメーカーから、なぜもう一度分析屋へ?
一つは、会社としてエンジンから電気へ大きく方向転換することになったことです。
僕はエンジンがやりたくて入ったので、
「じゃあ、自分はここで何をしたいんだろう」
と考えるようになりました。
もう一つは、会社や組織によって、仕事の進め方って本当に違うんだなと感じたことです。
メーカーのような大きな組織では、大勢の人が同じ方向へ動くために、全体の方針や意思決定を揃えることがすごく重要だと思うんです。
一方で僕自身は、
「現場で考えたことを、もう少し仕事に反映したい」
というタイプだった。
資料やデータをつくって、
「こうした方がいいと思います」
と提案することもあったんですけど、大きな組織なので、必ずしも現場の提案を起点に物事が動くわけではない。
そこで初めて、
「自分は、自分で考えたことを仕事に反映できる環境が結構好きだったんだな」
と気づきました。
ちょうどそのころ、分析屋を辞めたあとも付き合いのあった人たちに相談したら、
「じゃあ戻ってきてくださいよ」
と言ってもらって。
当時は、いろいろな会社を比較するというより、
メーカーに残るか。
分析屋に戻るか。
ほぼその二択でした。
そして、もう一度分析屋を選びました。
離れてみて分かった。「一人ひとり」を見る会社だった。
一度外の会社を経験して、改めて感じた分析屋の良さは何ですか?
一番は、一人ひとりをちゃんと見ようとしているところだと思います。
会社の規模や仕組みによって、当然やり方は違うと思うんですけど、分析屋の場合は、
「どんなキャリアにしたいのか」
「どんな案件を経験したいのか」
を相談できる。
コースなども、自分の意思で選べる部分が大きい。
会社から一方的に、
「あなたはこれをやってください」
と決めるというより、本人がどうしたいのかを聞いたうえで考えてくれる。
そこは自分に合っていると思います。
それは仕事以外でも同じですね。
飲み会も、会社イベントも、参加したければ参加する。
行きたくなければ行かなくてもいい。
そういう細かいところにも、本人の意思を尊重する感覚があると思います。
分析屋を表す言葉として「リスペクト」がよく出てきますがなぜ?
そうですね。
上から一方的に、
「これをやれ」
ではなくて、
「一緒にやっていこう」
という空気がある。
僕自身、一度違う環境も経験したからこそ、そこは分析屋の特徴なんだと思うようになりました。

マークⅡ、チャレンジャー、シビック、アストロ。「いろいろ好き」は、仕事でも武器になる。
清水さん、本当に車が好きですよね。これまでどんな車に乗ってきたんですか?
結構いろいろ乗りましたね(笑)。
100系のマークⅡから始まって、ダッジ・チャレンジャー、ミラジーノ1000、MTのシビックフェリオ、シボレー・アストロ。
その後はフィットを2台乗り継いで、サクシードにも乗りました。
昔の車は結構好きでしたね。
車をいじるのも好きでした。
ジャンルがものすごくバラバラですね(笑)
そうですね(笑)。
車以外にもゲームをやったり、キャンプをしたり、スノボやサッカーも好きだったり。
割といろいろなものに興味を持つ方だと思います。
「いろいろ興味を持てる」というのは大事なんでしょうか?
そうかもしれないです。
分析の仕事って、お客様の業界もテーマも毎回同じではないので。
「仕事は仕事」と割り切って、言われた数字だけ出すこともできます。
でも、その業界や相手の仕事そのものに興味を持つと、
「そもそも、なんでこれを見たいんだろう」
「この会社では、普段どういう仕事をしているんだろう」
と、もう一歩聞きたくなる。
そこまで聞くと、
「だったら、こっちも見た方がいいんじゃないですか?」
という話が出てくるんですよね。
僕は趣味が多い方なので、もともと知らないものを面白がることには抵抗がないのかもしれません。
車の好みにも、清水さんっぽさが出ていますよね。
そうですね。
特に昔のエンジンが好きだったんです。
電気って、良くも悪くも制御した通りに動きやすい。
でもエンジンって、
「こう動かしたい」
と思っても、その通りにいかないことがある。
そこを、
「じゃあ、どうすればうまく動くんだろう」
と考えていくのが面白かった。
マニュアル車なんかも、自分で操作している感覚が好きでしたね。
キャンプもそうなのかもしれません。
ちょっと不自由なものを、自分でどうにかしていくのが好きなんだと思います。
データ分析も、全部が思った通りになる仕事ではありません。
予想と違う数字が出る。
依頼自体が曖昧なこともある。
そこで、
「なんでこうなっているんだろう」
と入り込んでいく。
そういう意味では、昔から好きなものと結構つながっているのかもしれません。
「ふんわりした依頼」を、答えのある仕事に変えていく。
復帰してからは、どんな仕事をしてきましたか?
復帰後は、動画配信サービスの会社に常駐して、3年10か月くらいデータ分析の支援をしていました。
データを抽出して、要件を整理して、分析して、可視化するところまでですね。
今は人流データを扱っています。
たとえば、
「この店舗に何人来たか」
という来店計測だったり、駅やエリアごとの人の動きを見たり。
数値を見ていると、
「平日は多いけど休日は少ないな」
「この日は異常に人が少ないな」
みたいな傾向が出てくる。
調べてみたら、その日に記録的な豪雨があったりする。
「ちゃんと数字に出るんだ」
みたいな発見は面白いですね。
これまでで特にやりがいを感じた仕事は?
前の現場では、分析に詳しくないビジネス側の方から、
「こういうことを見たいんです」
と、かなりふんわりした相談をもらうことが多かったんです。
そこから、
「そもそも何がしたいんでしたっけ?」
「何を知れたら、次の判断ができるんですか?」
と聞いていく。
それを分析の形に落とし込んで、可視化する。
完成したものを見て、
「すごく見やすいですね」
「これをきっかけに、ほかのことも見てみました」
と言ってもらえたときはうれしかったですね。
「ちゃんと仕事をしているな」という実感がありました。
技術力だけでは難しそうですね。
そうですね。
僕は、「コミュニケーション力」と一言で言うより、相手やその仕事に興味を持つことが大事だと思っています。
表面だけ聞いて、
「言われた数字を出しました」
で終わることもできる。
でも、
「なんでそれを見たいんですか?」
「その数字を使って何をするんですか?」
ともう一歩聞いていくと、
「だったら、こっちを見た方が良くないですか?」
という提案が出てくる。
背景まで理解した方が、相手にちゃんと刺さるものをつくれると思うんです。
説明するときも、専門用語を並べないようにしています。
意識しているのは、
「小学生でも分かるくらいに説明する」こと。
僕自身、最初は専門的な言葉のまま説明して、
「なんで伝わらないんだろう」
と思っていたこともありました。
でも途中から、
「相手の目線に合わせないとダメなんだ」
と分かってきた。
そこはかなり成長したところだと思います。
AIの時代だからこそ、「人のことを知りたがる人」でいたい。
これから挑戦していきたいことはありますか?
今は分析支援や数字を出すところまでの仕事が多いので、その先までやっていきたいですね。
数字を出して、
「こういう傾向があります」
で終わるのではなく、
「だったら、次はこうした方がいいんじゃないですか?」
という提案までできるようになりたいです。
今後、どんなデータ人材になりたいですか?
AIに淘汰されない人になりたいですね。
簡単な分析だったり、単純な傾向を見ることだったりは、AIでもできることが増えていると思います。
だから、その先。
人の感情に寄り添ったり、その人の置かれている背景まで理解したうえで判断したり。
そういう、人にしかできないところをやれるようになりたいと思っています。
AIに何かを聞けば、答えは返ってくる。
でも、人と話しているからこそ、
「実はこういう事情があるんですよね」
という、その人自身も最初は言葉にしていなかったものが出てくることもある。
そこまで含めて理解して、仕事をつくれる人になりたいです。
分析屋に向いているのは、どんな人だと思いますか?
主体的に動ける人ですね。
自分で課題を見つけて、
「こうした方がいいんじゃないか」
と動ける人。
でも、全部一人でできる必要はないと思います。
むしろ、
「これは自分には分からない」と分かって、周りを頼れる人
は強いと思います。
まず自分で調べる。
「ここまでは考えたんですけど、ここから分からないです」
と人に聞く。
それなら、みんなかなり真摯に答えてくれると思います。
それともう一つ。
僕自身の経験からすると、いろいろなことを面白がれる人も向いている気がします。
データ分析の仕事では、次にどんな業界やテーマと出会うか分かりません。
車が好きだった経験が、データ分析への入り口になったように。
キャンプでも、ゲームでも、スポーツでも。
いろいろなことに興味を持って、その世界のことを知りたくなる人なら、知らない業界に入っても面白がれる。
そして、
「もっと知りたい」
と思えるから、相手の話も深く聞ける。
僕は分析屋って、そういう好奇心を仕事に使いやすい会社なんじゃないかと思っています。
高校は国際系。
大学では電気。
仕事では自動車からデータ分析へ。
全然、一つの道をまっすぐ歩いてきたわけではありません。
でも振り返ると、いろいろ経験してきたから今の自分がある。
だから、自分の経歴が少しバラバラでも、それをあまり気にしなくていいと思います。
興味を持ったら深く聞いてみる。
分からなければ調べて、人にも聞く。
自分なりに考えて、やってみる。
そんな人なら、分析屋でできることは結構たくさんあると思います。